金剛身品解説

金剛身品(こんごうしんぼん)如来常住

この品は如来身の金剛にして常住不変不可壊なることを説示。

迦葉菩薩を対手として、如来の金剛不壞なることを説き、正法護持を勤められる。
正法を護る者。

金剛身品本文 和漢(電子ブック)WEB大蔵経 英中

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Nirvana Sutra:Appreciation of the "Mahayana Mahaparinirvana Sutra"
乾隆大藏經涅槃部類

金剛身品より(涅槃経解説・最後のみおしえ・伊藤真乗)如来常住・正法を護る者

迦葉菩薩を対手として、如来の金剛不壞なることを説き、正法護持を勤められる。
◎ブッダの身体は壊れない

1.如来の病苦を示すは衆生を調伏せんがため

●身体について
(一)如来身の金剛不壊について問答す。
├─金剛身品五 ③④金剛不壊の問を答える
─┬─法身の果を明かし金剛の問に答える─┬─法身を明かす     [5-1]
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││└─論 義─┬─問                      [5-2]
││      ├─答─┬─其の所問を非とす           [5-3]
││      │   ├─正しく答える─┬─人天の身に非ざるを明かす[5-4]
││      │   │        ├─非人是身を明かす  [5-5]
││      │   │        └─有知者無く不知者無きを明かす[5-6]
││      │   └─結勧す                 [5-7]

2.正法護持の因縁を以て金剛身を成就

(二)迦葉領解、法身不可壊身を説示す。
││      └─領 解                    [5-8]
│└─法身の因を明かし堅固力の問に答える─┬─疑を騰る      [5-9]
●本物の修行者
│└─仏 答─┬─正しく答える─┬─略して答える         [5-10]
│      │        └─広く答える─┬─広く法を護る [5-11]

│      │    └─広く証を引く─┬─護法の本縁     [5-12]
│      │             ├─護法の行を明かす  [5-13]
│      │             ├─護法の果報     [5-14]
│      │             └─結 会       [5-15]
●破戒と正法護持の関係
(三)如来常身の問答。
│      ├─領 解                     [5-16]
│      └─修を勧める─┬─通じて因果を挙げ以て四衆を勧める[5-17]

│  └─別して在家を勧め刀杖を執るを開く─┬─勧める      [5-18]
│                     └─簡 ぶ─┬─問  [5-19]

│               ├─答─┬─正しく答える     [5-20]

3.三種の僧がある

●三種の修行僧
│               │   └─結 歎        [5-21]
│               ├─領 解            [5-22]
●教化とは
●戒の軽重
(四)仏の讃。
│               └─述 成            [5-23]

複合見出し

品毎の複合見出しは、単体見出し「金剛身品」を合成・複合化したもので、機関誌「歓喜世界」シリーズの「涅槃経解説・最後のみ教え【南本】・伊藤真乗」の見出しを軸にして構成します。

見出し構成

「最後のみ教え」を構成基幹として、
並びとして現代語訳(現代語完訳・大般涅槃経)に●印を、
昭和新纂(昭和新纂・国訳大蔵経)の注の(漢字番号)を、
新国訳(新国訳大蔵経・大般涅槃経)の[科段の行番号]を
それぞれ付記しています。

如来の身に破滅はない(如来常住)

 まず、「如来」とは仏の本体で、それは「常住」永遠に不変不易であるという意味について簡単に申しますと、如来(みほとけ)本来のまことの真身は現実のしかも時とともに滅亡する肉体にあるのでなく、救いのためにさまざまな形に相(すがた)を変えて現世に顕われようと、その法身そのものはいささかも変わりなく、未来永劫に生き給う---ということであります。

 こうした説明では、観念的で理解しにくいかもしれませんので、ここで大般涅槃経
をたどり、直々に宣べられた世尊のみ言葉を通し考察してまいりましょう。
 今や、世尊の般涅槃(はつねはん)(にゅうめつ)を目の前にして、悲嘆やる方もなく、手をあげ頭を打ち胸を叩いて悲号啼哭(泣きさけぶ)した涅槃聴衆の気持ちに応えられるかのように、世尊は金口(みくち)を開かれます。

 『善男子よ、如来の身は常住にして壊(やふ)ろうとして壊ることのできない身で、もとより肉体的な存在ではなく、宇宙の実体たる法身そのものである。』
 このご説諭にいかんともし難い心情の迦葉は、切々と、
 「世尊よ、私が見奉りますのは、無常な人の世さながらのはかないおん身でございます。なぜならば、世尊のご入滅のお相(すがた)をここにこうして拝しておりますゆえ…」
 と訴えますと、心中を哀感(あわれ)む世尊は、さらに、
『迦葉よ、汝(おんみ)は如来の身を破滅ある凡身と同一に視てはならない。如来の身は無量億劫(おくごう)に至るとも滅することなく、一切の差別相を離れた絶対境なのである。』
 そして、なおも諄々とみ言葉をつづけられて、
『また如来はことごとくの微妙功徳を成就しているため、病患も苦悩も、なお死滅もないのである。迦葉よ、如来が病苦生滅を示す所以(ゆえん)は、諸々の衆生を調伏(ちょうぶく)せんと欲するがための故である。
 善男子、今こそ、如来の身は即ち金剛身(何ものにも壊されることのない)なりと思惟すべきで、食身(じきしん)と念(おも)うことなかれ。しかして人々のために、如来の身はこれ法身なりと、説くべし』
と、如来常住の真実義を教示されたのであります。
------釈尊の遺言の教えより(伊藤真乗)------


  • 最終更新:2014-10-12 16:58:11

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