人間性の発見涅槃経
書籍名:人間性の発見・涅槃経 著者:田村芳朗 シリーズ名:現代人の仏教7 発行:筑摩書房 昭和46年第7刷 を使用。大般涅槃経概要
- 涅槃経の現代人にとっての意義、経典の哲学的な解説と思われます。
- 涅槃とは、涅槃の意味。人間性とは、人間性の意味。人間の生死の考察。
- 仏教(釈迦牟尼)の根底について理解を進めることができるのでは。
目 次
はしがき
一 「涅槃経」の基礎
1 涅槃と死
- 涅槃の意味
- シャカの死
- 二種の涅槃
2 死と永遠
- 人間の二重性
- 一元論と二元論
- 霊魂と肉体
3 不二の絶対
- シャカの沈黙
- 有と無の超越
- 空・虚空
4 而二の相対
- 真実の空
- AB不二
- ABの二
5 空観の歴史
- 死後の存続
- 小乗空観-虚無
- 大乗空観-妙有
6 人間性の発見
- 永遠の内在
- 正邪の人生観
- 永遠の活現
7 人間性の活用
- 四種の現実相
- 流動する現実
- 人生の意味
二 死についての考察
1 最後の伝道
- 人間シャカ
- 自己の確立
- 自己の超克
2 死期の予感
- 人生の達観
- 生の完了
- 四法の成就
3 最後の供養
- 死のまねき
- 弟子のなげき
- 最後のことば
4 死の意味
- 死の序章
- 任意捨命
- 方便の死
5 無常の徹見
- 人生の放棄
- 三人の天使
- 無常のうた
三 永遠についての考察
1 生死の超越
- 幸福の探究
- 生死相関
- 生死一大事
2 永遠の特性
- 涅槃の三徳・四徳
- 二種の四倒見
- 不浄観の真意
3 仏性の解翔
- 仏・如来の意味
- 仏と法の関係
- 仏性と霊魂
4 仏性の真相
- 人生の構造
- 宇宙真理
- 虚空仏性
四 永遠存在と人間界
1 絶対の永遠
- 絶対の絶対
- 神の神
- 不二平等
2 相即の永遠
- 不二・空の誤解
- 二に即して不二
- 空の空
3 中道の永遠
- 空・仮・中
- 中道仏性
- 永遠の遍満
4 永遠の自己
- 信心仏性
- 久遠本仏
- 人生肯定
5 永遠の生命
- 死の克服
- 生の克服
- 不生の生
6 今日の生命
- 永遠の今
- 生死常任
- 生の活用
五 永遠活現の人間界
1 理想と現実
- 差別の現実
- 仏性の陥没
- 仏性と発心
2 理想の実現
- 仏性の開発
- 自然の打破
- 運命の打開
3 現実の応用
- 現実の徹見
- 自在の活動
- 状況の適応
4 差別の運用
- 差別の認識
- 方便の工夫
- 菩薩の五行
5 慈悲の実践
- 平等と差別
- 無縁の慈悲
- 愛見と慈悲
6 折伏の実践
- 折伏と摂受
- 悪逆の破折
- 大悲の痛み
7 平和の実現
- 仏土の開発
- 武力の問題
- 三種の浄土
人間性にんげんせい
ブリタニカ国際大百科事典
人間性
にんげんせい
human nature
人間の人間であるゆえん,すなわち人間の普遍的本性の意であるが,人間らしさという価値的意味をもつ。この言葉自体,多義的であり,西洋ではギリシア,ローマの伝統に基づくかぎり,人間性は野蛮人との区別において,いわゆるギリシア,ローマの古典的教養を体得した「人間的人間」としての卓越性を意味した。
目次にある涅槃経世界
この本は、やや思い入れのあるものです。精進を始めた1年目ごろに「涅槃経って何」という気持ちで、涅槃経関係では初めて購入した本です。
割と固い本でも読んでいたのですが、この本は大変難しく感じ途中で降参しました。
仏教、お経とはこんなにも難しいものなのか。涅槃経とはかくもチャーミングなのか。が感想でした。
内容としてはとても興味のあるものでしたので、10数年後に再挑戦して読了しました。
論理学、哲学の書籍にいくらか馴染んでいないとキツイようにも思えます。
また、涅槃経は教えの実践を踏まえてこそよく理解できる言われていますが、私の場合、ともかくの読了に10数年が必要でした。
目次の言葉はとても魅力的なものです。
一 「涅槃経」の基礎
二 死についての考察
三 永遠についての考察
四 永遠存在と人間界
五 永遠活現の人間界
涅槃経の中身、意義がとても明瞭に強く表されていると思います。私はこの書籍を基本として、ますます涅槃経を読んでみたくなったのです。
- 最終更新:2014-10-23 07:30:02